隆兄はよく、この時間体育館にいる。


中に入ってみると部活は終わっていたので、人の影はもうなかった…



あぁー、緊張する!


心臓が身体中に伝わるほどうるさい。


覚悟は決めていたとしても、知っている答えを聞くのは…やっぱり辛い。



倉庫の方へ行ってみると、備品のチェックでもしているのか何やら書き込んでいる隆兄の姿が。


近付いていく私の足音に気付くと隆兄は書き物をやめて、こちらへと向き直る。



「眞中…まだ残ってたのか?もう下校時間になるぞー」



大学生の頃よりも少し大人びた笑顔…


昔も今も、どっちも素敵。


小学生の時に恋をして、高校生になってもまた恋に落ちた…私は隆兄を好きになって後悔なんてしていない。


ドキドキする気持ちを教えてくれて…ありがとうございました。


そう伝えたい。


だから…きちんと今度は目を見て、言う!



「坂口先生!あのね…」