晴れやかな笑顔を大和に向ける。


大和にちゃんと話せた!


そのことに私の胸に支えていたものがすっと取れた感じがした。


大和にとっては…聞きたくもない話だったかもしれないけど。



「お前って、マジでバカだよな」



冗談なのか本気なのか、何とも言えない表情で苦笑いを浮かべる親友。



「えっへん!それほど真剣だった証拠ってことで。…じゃあ行ってくるね?今日はありがとう!」



気の抜けたことを言って手を振った後、教室から私は駆け出した。


どうしても今この時に、ゆっくりと進める気がしなかったから。


ただただ、思いのままに…


だから…




「あんな顔見たら…ますます惚れちまうって」



私が大和のこの言葉を聞くことはなかった。