※美桜視点に戻ります。





「何やってんだろ、私…」



向こうの方で文化祭の準備をしているのが嘘みたい…


そう思える静かな教室で、一人佇む。


今は使われていない空き教室。


先生でさえ用がなければ上がってこない所だ。


そんな場所で…ただただ私はため息を漏らす。



さっきの、怪しまれなかったかな…



『先に帰っていいかな?ちょっと予定もあるから…』



どうして…あんな嘘、ついちゃったのかな……


咄嗟の自分の行動に、私自身ですら戸惑った。



“みんなに見られて恥ずかしい”



その気持ちも確かにあった。
だけど……



私の中で一番に感じるのは、



胸の…痛み。