「やっ……なお………離、れて…」



逃げようとする美桜を囲いこむ。


もっと俺自身を意識するように。
絶対離してやらねぇ…



「なんで?」



気付いているのに気付かないふり。


タチが悪い?
んなの知ってる。


目を潤ませながらこっちを見上げてくる美桜。


赤く染まった頬に……そそられる。


目の前の瞳には俺だけしか映していない。
それに堪らなく優越を感じた。


俯いた拍子に覗いた耳も赤く熟れている。


何も考えずに手を伸ばす…


触れた途端にビクリと跳ねる体。



「耳……感じんの?」



その仕草が…やけに可愛くて……


夢中になる。魅せられる。


それはまるで、中毒のように……



「ぁ、もう……やめっ…」



俺はこの瞬間、お前に堕ちた。