劇の練習は文化祭の準備期間より前から始まった。
毎年クオリティが高いだけにそれに有する時間も相応だ…
「そんな……三国の王子の誰かと契りを交わせと仰るのですか!?」
あれだけ嫌がっていたのに流石というべきか…
美桜は早々に台詞を覚えてきた。
暗記力という点では俺よりも上回っているかもな……
応用力はないけど。
「かっ、必ずや姫を…えと、我が正妻にしてくれようぞ!」
「まぁ!選り取りみどりゅ…緑なんて、うぅう羨ましいわ~」
…うん。
この二人は比較すら出来ないわな。
どんだけ緊張してんだか…
まだこれ読み合わせなんだが。
「疲れたぁ!」
読み合わせを始めて数日。
最初はカミカミだった花音と大和も少しずつ頻度が減ってきている。
「はぁ…」
小さく出たため息…
姫役は台詞の量も圧倒的に多い。
だから疲れるのなんて当たり前で……

