今まで顔が整ってるだとか、黙ってりゃ美人だとか思ったりはしてきた…
だが、美桜をこんな風に可愛いと思ったのは初めてだった。
「そんじゃ、今から昇降口で待ち合わせな?」
「あぁ。分かった」
電話が切れてこの場に静寂が訪れる。
変に意識してしまったからか美桜に顔を向けることが出来ない……
「委員会終わったから昇降口に集合だってよ」
それだけ言うと歩を進める。
いや、それだけしか言えなかった…
口を開くとボロが出そうで……
こいつにちゃんと警戒心を持たせる為にした行為のはずだった。
そのはずが……
俺まで引き込まれてちゃ……世話ないわな。
「危機感を持て」
美桜に言ったその言葉は自分に宛てても返ってくる。
花音への気持ちがあるはずなのに…
美桜に目を引かれている自分が、そこには居た。

