余計なこと口走んなよ…
「なら僕にもまだ入り込む隙はあるってことだね?」
美桜の否定に羽山の弾んだような声色が合わさって、俺の胸糞の悪さを増幅させる。
お前なんかに美桜はやらねぇっつーの!
隙なんて1ミリも与えてやるかっ。
第一にその場から離れてしまいたくて速球に歩いていった。
ここまで来れば大丈夫か…?
そう思い階段の傍で立ち止まる。
「わぶっ!」
突然足を止めたせいか背中に美桜の顔が接触した。
でも…今はそれを気にしてる場合じゃない。
「お前さ…」
「んー?」
「無防備すぎるんだよ」
言ってる意味が分からないとでもいうように、美桜は首を捻った。
あまりにも気の抜けたその様子に、俺の中の怒りのボルテージが上がるのを感じる。

