「隆……にぃ…」
小さな小さな声で紡がれる無意識の言葉。
目尻に溜まっていた雫が流れていく。
夢の中でも現れやがるのか。迷惑な野郎だな…
美桜も美桜であいつの何が良かったんだか。
「忘れちまえ」
耳元でそう囁いた。
寝てるから伝わるはずもないけど。
未だにこいつの中を独占する坂口に腹が立つ。
でもそれ以上に……
何も出来ない自分自身に、腹が立った。
物事というのはどうして度重なるものなのだろうか。
四人での旅行の最中。
花音が大和に告白をした。
朝からギスギスした雰囲気が漂い、それはそれは居心地の悪いこと。
本人たちは隠してるつもりなのか知らないがバレバレだった。

