しばらくして、あいつが坂口に告ったのを聞いて驚いた。


水族館に行った日から変わった様子はしていたが…
まさかいきなり告るとは完全に予想外だった。


てっきり美桜は俺と同類だと思っていたから…


相手を想ってるだけで中々言い出せない。


今いる状況から抜け出せない。


そんな俺たちは似た者同士だと……



でも違った。



あいつは一歩踏み出したんだ。


フラれて例え苦しくても、美桜はちゃんと前へ進んだ。



俺の前で顔を歪めてポロポロと流した涙。


目を奪われた。普段とはかけ離れた美桜の表情に…


それに加えて潤んだ瞳で見上げてくるし、焦った。



ドクドクドクドクーーー



心臓が速く脈打つ。


二人きりの部屋の中。緊張感が増してくる。


無自覚ってのはこういう時厄介だ…


美少女って奴は泣いてても綺麗なものなのか。