「あのさ、藤堂くん…」
「あ?」
若干含みのある声で返事をした。
呼ばれた上の名前にピクリと反応する。
花音や大和、他の仲良くなった奴らにも名前呼びのくせに…
そりゃ、そいつらみたいに『下の名前でいい』なんて言ってないからかもしれんが。
「えっと……花音ちゃんが好きなのは分かるけどさ、そんなに大和くんを睨まなくても…」
「…………」
なに、言っちゃってんの?こいつ……
周りに聞こえないようにと思ったのか、耳元で小さく囁かれた言葉に困惑する。
いきなり出た大的中の発言にガシッと心臓が鷲掴みになった。
「どういう、意味だ?」
「どうって……そのまんまの意味だけど?」
不思議そうに小首を傾げる美桜。
今まで誰にもバレたことなんて無かったのに……
まさか…こいつに気付かれてしまうとは。

