「どうか、した?」
黙っていた私を心配そうに花音が覗き込んでくる。
どうしよう…何か言わなきゃ、何か…
そうだ!
「今日…羽山先輩の演技、上手かったなって思って…」
さっき考えていたことをどうしても言う気にはなれなくて、当たり障りのないことを口に出した。
そう、自分ではそのつもりだった…
二人の男共の反応なんて露知らずに。
「なんかさ、姫が好きな気持ちが伝わってくるっていうか…何でも出来る人は違うわ」
「そっか~?俺には平凡な演技に見えたけど?」
「んー…あれは演技っていうよりは……ううん。何でもない」
私の率直な感想に大和は否定的に。花音は途中で何か言いかけてやめた。
「何だよ~。めっちゃ気になるじゃん!教えておくれ?」
「いや、言ったところで絶対ないって言われるだろうし。…こういうのは、自分で気付かなくちゃねー?」
え、花音ちゃんの言ってることがさっぱり何ですけど…

