…駄目だ。やっぱり今日は遊べる気になれない…



「ごめん、直人。私、今日はもう帰るね…二人には体調不良って言っといてくれる?」



早口でそう話すと、一刻も早くここから居なくなりたくて直人から離れた。


でも、後ろからぐっと手を引かれて…



「送る…」



私の腕を掴む直人を見上げると、その表情が飛び込んできて苦笑いになった。


バカだなぁ…なんて顔してんのよ。
いつもみたいに素っ気なくしてくれなきゃ…調子が狂うっての!



「私はいいから…花音と一緒に居なって!それに今は…一人になり、たい…」



頑張って喋っていたのに、最後の方は声が掠れてしまった。


ふっと気が緩むとまた泣いてしまいそうで…


直人の掴む手が少し弱くなった隙をみて、私は駆け出していった。



出口を抜けて外へ出ると、そこには真っ青な青空が広がっていて…


まるでさっきの出来事がなかったような…そんな錯覚を、してしまいそうだった。