直人とは、運動会の一件以来、何だか気まずい感じ。
普通にしようとすれば空回ってしまったり、
帰り道に会話が続かなかったり、
前までは沈黙なんて気にも留めなかったのに、静かだと焦ってしまってあーだこーだと考えたり…
全部が直人を意識してのことだ。
自分でもちゃんと分かってる。
分かってるけど…
こんなのきっと、思い違い…
実らない恋をする程、私の心は…鋼じゃない。
前に好きだった人には振られてるんだよ?
私だっていっぱい傷付いてるんだっ!
それなのに!…また壁に当たりにいくようなことは…しない。
だから…
「これは絶対…勘違い…」
王子役に抜擢された二人を生徒が取り囲んでいる。
わいわいと賑やかな中で、ぼそっと一言そう呟いた。
儚く、消えちゃいそうな、そんな声で…

