「やっぱり羽山くんか~。予想通りだわ」


「私、羽山先輩に入れたんだよね~!」


「王子役帝かよー。しっくりき過ぎて腹立つよな?」



名前が読み上げられた途端に各々がまた喋りだした。


そりゃ羽山先輩ならカッコいいし、優しい雰囲気だから合ってるもんなぁ…


ミステリアスなところがちょっと近寄りがたいけど。
それは私だけか?



「羽山先輩が王子か~…イメージぴったりだよね!ね!」


「ん、そうだね…」


「そうか?特に似合ってる気とかしねぇけど」



うっとりした表情で私たちに問いかける花音。
大方、衣装を着た会長の姿でも想像してるのだろう…


相槌を打つ私とは裏腹に、大和は不満そうに答えてみせた。 


というか顔がすでに『気に喰いません』と
語ってる…



「ふん!大和は分かってないなぁ…直人はどう思う?似合ってるよね?」


「うーん…まぁいいんじゃない?」


「何、その適当な返しは…」



余りにも適当な直人の返事に、上がっていた花音の熱も醒めていったみたいだった。