「いや~…私もその瞬間を見た訳じゃないんだけどさ。直人が、美桜を抱き止めたの見てた子がいて」
「そ、なんだ…」
ドックン、ドックンーー
花音の話に反応するように、鼓動の音が激しく響く。
『また倒れられたら…マジで、困る』
直人の言葉が頭の中をぐるりと回っていった。
私が倒れたのを間近で見てたんだ、直人は…
だから、あんなに心配して…
迷惑をかけた罪悪感がのしかかる。
それなのに…どうしてかな?
助けてくれたのが直人で嬉しい…
そんな気持ちの方が、大きいのは。
「私もあんたを抱き抱えた直人を見てたけど。かなり必死な顔しててさ!あいつもあんな表情するんだなぁって…思った」
「必死な、顔…」
「そう!めちゃめちゃ焦ってたよ?思い返してみれば傑作だね!」
そこまでツボにはまったのか、ヒィヒィ言いながら笑う花音。

