「大和や花音は単純だから、お前の嘘を丸々信じたんだろうけど?」
「単純って…」
大和は百歩譲って良しとして、仮にも好きな子にその物言いはいかがなものか…
後ろで私が苦笑いを浮かべてることなど知る由もなく、そのまま直人は話を続ける。
「お前のことなんて顔見りゃ分かんだよ。ナメんな」
「いや、なめちゃいないけども…」
そっか。そうなんだね…
私が直人の気持ちとかを分かってたように、直人も私のことを分かってくれてたのか…
思い返してみれば門を出るまでの間。
ゆっくりしか歩けない私に何も言わずに合わせてくれてたなぁ。
これって…女の子扱いってやつ?
…まぁ違いますよね、病人扱いですね!
しばらくすると同じ体勢でいるのがキツくなってきて、直人の肩へ顔を埋める。
ちょっとの汗と…ほのかに香るシャンプーの匂い…
それが近いことを意識させられる。
何だろう。話してたらいつもの直人と変わりないのに…
今日感じた違和感からか違う人みたいにも思える。

