「坂口先生、集合かけて下さーい」
「はいよー!じゃあ行くわ」
体育委員が向こうから大声でこっちへ呼び掛ける。
それに答えた先生はひらひらと手を振ると、また入場門の方へと戻っていった。
歩いていく後ろ姿に昔の面影は感じられなくて…
でも変わってしまったことへの動揺は全くない。
先生と一緒に走った時、気付いてしまったから。
変化した想いに。
もう、好きじゃないんだって、想いに…
完全に終わった、んだな…
さよなら、私の初恋。
意外にも虚しさなどはなく。
今の自分の気持ちが分かって心がスッとしたような…
さてと、私も自分の席に戻るかー。
あとは観戦だけで終わるしね?
そうして私も一歩を踏み出す…はずだった。
あれ、おかしいな…
視界が、霞んで……
世界が大きく傾いていく。
そしてその後にあるであろう衝撃を感じるまでもなく、私の意識はそこで途切れた。

