「おい、眞中」
無事に種目をやり遂げた私の前に坂口先生が現れた。
「あっ、先ほどはご協力ありがとうございまーす!丁度先生がいてくれて助かりました」
走り終わった時にはお礼を言えなかったからね。
あの後先生、すぐに捌けていっちゃったから…
「あぁ。あれぐらい別になんてことないよ…それより、さっきの紙は何が書いてあったんだ?」
「あー、あれは…」
先生には見せてなかったもんなぁ…
知ってるのは私と東弥生だけ。
私の指示された紙には
『尊敬する人』
そう書かれていた。
スポーツ万能でどんな競技でもやってのける先生は確かに尊敬する。
でも…私が尊敬してるのはそこじゃない。
それはまだ、先生が大学生の時…
坂口先生はお世辞にも勉強が得意とは言えなかった。

