只今、恋の修羅場に巻き込まれそうです!




「でも…ちょっと意外ですね。先輩ってこういう行事とか好きじゃないのかなって思ってました」


「一応生徒会長だからね。まぁけど…勝敗なんてどっちでもいいかも…」



どっちでもいい…?


会長の台詞に引っ掛かりを感じて首をひねる。


どういう意味だろう…


そう思った束の間、私は生徒会長に肩を持たれて引き寄せられた。


あまりにも距離が近くて固まってしまう…



「え、あの…会ちょ」


「美桜さん、体育祭が終わったらなんだけど…」



息を吹き掛けるように話されて背筋がぞくりとする。


困惑する私の耳に…校内放送が飛び込んできた。



『えー、お知らせします。次の借り物競走に出る生徒は、入場門前に集合して下さい。繰り返します…』



「あーっ、もう行かなきゃですね!この話はまた後で~。そんじゃ、私行くから!」



会長から思いっきり突き放すように離れた。


正直、今の放送はスッゴい助かった訳で…


誰の返事を聞くこともなく私はグラウンドへと掛けていった。



だから…


残った四人がどんな会話をしたのか。私には、知る由もなかった。