「それで、用件は何なんですか?」
たじたじになっている私の横で、直人が的確な質問を会長へと投げる。
その言葉は何故か刺々しい…
「ん?そうそう。美桜さんって次の種目出るんだよね?激励に来たんだよ」
「そ、それは…ありがとうございます…」
なんで会長が私の出る競技知ってんの?
いやいや、それよりも…
私がやるのは『借り物競走』なんですけど!
激励するほどのものじゃないと思う…
「このまま行けば三組が優勝間違いないからね。今年の祝賀会も盛大にする予定だよ」
「確か先輩も同じ三組でしたよね?今日は一位になったら盛り上がりましょうねー!」
会長の言葉に反応するように、花音が隣ではしゃぐ。
体育祭では毎年優勝したクラスには優勝パーティーが行われる。
学校の食堂を貸し切って、たくさんのオードブルやお菓子、デザートが食べ放題!
もちろんジュースも飲み放題!
毎回、この祝賀会を目当てに優勝を目指すクラスがほとんどなんだよね。

