二人がテープを切ったのはほぼ同時。


ゴールからクラスの座席は少し遠い…


だからこっちでは勝敗が分からなかった。



「どっち!?勝ったのってどっち??」


「お、落ち着いて~!」



花音が私の体を揺さぶってくる…



私だって分からないっての!



『まさに大接戦!白熱した只今のレース、一位は……』



周りも私もアナウンスへと耳を傾ける。


放送部の人が間を開けているのは多分、わざとだ。



ドキドキドキドキ…



次の放送が流れるまでの間、自分の心臓の音が異様に大きく感じてしまう。






『三組です!!』




「…おおおぉぉぉぉ~~~!!!」



少しの静寂のあと、三組である私たちのクラスに歓声が上がる。


他の生徒たちも大和のごぼう抜きに割れんばかりの拍手を送った。