「おーっ、何回見てもスゴい人の数」



お母さんに社用の車でスタジオまで送ってもらった私。


中ではたくさんの人たちが動き回っている。



『来て早々に悪いんだけど。その足で第3メイクルームに向かってくれる?私も車を止めたら行くから!』



お母さんからもらったメモを頼りにそのメイクルームを探し回る。


広いビルだから迷うか不安になったけど、幸いマップが分かりやすかったのもあってすんなり行くことが出来た。



「失礼します…今日撮影のお手伝いをする眞中美桜です」


「あら、今回も美桜ちゃんが出るのね?よろしくー」



部屋に入ると、前の撮影でお世話になったスタッフさんたちが居た。


見知った人が相手でちょっぴり安心…


手早く挨拶を済ませると、一着目の衣装あわせとメイクをすることになった。



「美桜ちゃーん。スッゴく似合ってるわ!」


「モデルになっちゃえばいいのに~」



スタイリストさんやメイクさんが私を見るなり歓声をあげる。


メイクを施してもらって、髪を巻いてもらって…


完成されたその姿を、部屋にある一番大きな鏡で見させてもらった。