「そんな中で、花音と大和だけが俺を普通に見てくれた。友達になってくれた…俺、マジで嬉しくてさ」


「…うん 」



昔に見せてもらったアルバムの小さな大和と花音が、直人に話しかける場面を想像してしまう。


それだけで何か心が暖まるような…そんな気持ちになった。



「疲れないのかって思うほどに明るい笑顔とか、折れない頑固なとことか、そういうの見てるうちに…気付いたら、惚れてた」



そう言って、私の隣に座る花音に目を向ける。


その目はとても優しい色を帯びていて…



「そっか…普通に接してくれたから、かぁ」



直人にとってはそれが『特別』だったんだね…



「お前だって普通…つーか反応薄かったけどな」


「そう…だったかな?」



惚けてはみたけど、その時のことはちゃんと覚えてる。


転校してきた当初は自分の成績を上げようと必死だった。


お母さんの仕事の妨げにならないようにって…その一心で。