教えてくれたのは、君でした。



次の授業は移動教室、私の選択科目は理科



(だめだ、まだ緊張が治まらない…)



理科室へ移動する最中も

今日のデートのことが頭の中をぐるぐる



「あっ、愛美…」


「悠里…」



向かいから悠里が歩いてきた



「あのさ、愛美。今日学校おわったあと暇?」


「えっ?えーっと……」



玲くんとデートだなんて

口が避けても悠里には言えない

このまえ振っちゃったのに

悠里は私に普通に接してくれてる


もし今日のことを言ったら

絶対に悠里、傷つく…よね?



「きょっ、今日はちょっと

一人で行きたいところがあるから…」


「あー…そっか、わかった」


「ごめんね?」


「うん、大丈夫

なんかいきなりごめんな」



と言って、悠里は私の頭をポンッと撫でて

行ってしまった