私は唇を離されると、
「ケータイ」
と悠斗に言われた。
私はケータイを出して悠斗に渡した。
ピロンピロンという音が聞こえて、
「登録完了っと!」
悠斗がそう言った。私はケータイを受け取ると、
「じゃあ、私行くね?」
「おう。いつまでも連絡来なかったら
家に乗り込んでやるからな!」
笑顔で言う悠斗に、自然と微笑みが溢れた。
「行ってらっしゃい」
悠斗が手を振った。
私達の恋は叶わないかもしれない。
だけど、必ず叶えてみせるよ。
必ず、ここへ帰ってくる。
そんな思いを込めて、
「行ってきます」
私は駅へと歩いて行った。


