「え、キスした?」


そんな彼の問いかけに私は首を横に振った。


霧島君は凄い驚いてるみたい。


そりゃそうだよね。


霧島君は今まで何人とも挨拶がわりみたいにキスしてきたんだよね、きっと。


きっと、経験済みなんだろうし。


そんなことを考えると少し胸が苦しくなってきた。


こんなの…霧島君のこと好きみたいじゃん…


「ちょ、咲、前!」


「え。」


ドンッ


考え事をしていたら人にぶつかってしまった。


「ご、ごめんなさ…い」


ぶつかった相手は


元カレの高月先輩だった。


驚きすぎて声が出ない。


「新井、大丈夫か?」


先輩の方から声をかけてくれた。


「ごめんなさい…大丈夫…です」


顔…合わせづらい…


顔合わせるとまた好きになっちゃいそうで怖い。


でも……


「新井?どうした?」


「えと…何でもないです…」


「咲、そいつ誰?」


ちょ、何でここで口出しするかな…


もう色々とめんどくさくなるよ…


「高月…先輩。えっと……」


私が言い終わる前に先輩が


「俺の元カノ。」


っーーー////


なんかめちゃくちゃ恥ずかしい…


「あぁ、さっき言ってた人か。キスもしなかったヘタレ」


ちょ、何言って…!


「…は?」


「何だよ、キス、しなかったんだろ?」


霧島君、やめて…!


「お前に何が分かんだよ!!!!」


先輩が霧島君を殴ろうとした。