「ハァハァハァ…」

俺は少しでも早く学校につけるようにと、足を休めず走り続けていた。
俺の家から学校は徒歩約20分の道のり。
走っても走ってもまだまだ。それほど遠くないのに遠く感じるのは、雅がいないからだ。
ハァ…今日はとことん雅の存在を再確認する日だ。


やっと学校が見えてきて気が緩んだとたん、
俺の足は止まった。

学校の門には雅がいた。
は?何してんだ、あいつ。授業のはずじゃ…。
心配になり俺はまた走り出した。

「みやびっ」

彼女の名前を大声で呼ぶと、彼女はこっちに向かって向日葵みたいな笑顔を見せた。

「なーぎー!おそいよぉっ」

大きな声で俺の名前を呼ぶ彼女が愛おしくて、待っていてくれたことが嬉しくて、俺は彼女のもとへ急ぎ彼女を抱きしめた。

「ハァハァ…みやびっ、授業は?」

息を切らしながら彼女に問いかけた。

「凪、朝元気なかったから心配でサボった!」

笑いながら言う彼女を見たら疲れなんかぶっ飛んだ。
もう一度彼女を強く抱き締め、

「ありがとう。」

心を込めて一言を告げた。

「教室、行こっか」

雅は笑顔で俺に言った。
ほんとに、笑顔が似合う可愛い奴だな。なんて、俺は彼女にベタ惚れだったりする。

「おう」

笑顔の彼女に俺も笑顔で答える。
手を繋ぎ俺らは教室へむかった