「ハハッ、お前こえーよ。てゆか、お前はねみーだけだろ。」

俺は彼の優しさが嬉しくて笑顔で彼をちゃかした。

「ねみーよ。ほんとねみーよ。邪魔すんなバカップル。」

彼はほんとにものすごく眠そうな顔をしながら俺を睨みそう言うと、机に顔をふせた。

「慶ほんと、そんなんでよく生徒会長やってるよな」

笑いながら彼を茶化し続ける俺に、彼は顔をあげることなく舌打ちをした。

「慶くん、怖い。」

小声で雅はそう呟いた。
雅は、慶のことがどうしても好きになれないらしく、慶も雅のことが苦手だ。

「あー、うるせぇ。お前の性格のがこえーよ、ビッチ。」

慶にも雅の小声が聞こえたらしく、けーたは顔をあげて雅を睨み付けた。
始まった…。
そぅ思いながら俺はため息をつき、目を閉じた。

「はいはいはい、お前らどっちも怖いしうるさいから。とりあえず、お前ら3人あとから俺のとこ来い。今授業中だから。授業再開するぞ。」

あー、忘れてた。なんて思いながら俺は先生に謝り、教科書を広げた。