一人寂しげに
町に腰掛ける少女は
捨てられて植木に引っかかった
マスクに共感する

夜空に星は見えなくて
報われもしない風の下
揺れることもしない
てるてるぼうず

うつむいた顔に雪は積もらない
白の銀世界には浮き上がる
捨てられた黒猫の鳴き声が
箱の中まで銀世界

電車のホームで揺れる影
あと一歩、あと一歩、
呟いて
勇気すら出ない悲しみも

すべて冬空に消えていく