……創太……。
ダメだ……
考えれば考えるだけムダだ……!
しかも今、私が泣いたって意味ないし…。
ゴシゴシと目をこすってみる。
でも、涙は止まってはくれない。
「創太のばかぁ………!」
創太に届かないとは分かっていても
心の中では処理できないよ
こんなに苦しい気持ち……。
「菜塚、泣いてんの?」
後ろの方で声がする
……この声は…
大倉君…。
「泣いてないし…!」
鼻をすすりながら強気に言う
「泣いてんじゃん」
「笑わないでよ……?!」
「笑わねーよ。あの時はごめん。」
ボソッと謝ってきた。
「……。」
私は……なんでこんなに
苦しめられなきゃいけないの……?
「菜塚……?」
大倉君も私が見ていた光景を見た。
私が見てしまったのは
創太と……黒石さんが
抱き締め合っているところだった
そして
創太は黒石さんの頭を撫でる
「……なんでこんな思いばっかり……しなきゃいけないの……?」
私は声が震えた。
そしてその場で泣き崩れた。
「……。」
大倉君は無言で私を抱き締めている。
「お、おおくら……く…ん……?」
驚きすぎて、言葉が途切れ途切れになる。
「変な意味はねぇから。泣け。」
私は大倉君の胸で泣いた。
その日は青い青い空だった。

