そして、私の一人暮らし生活が始まった。
前の家は、母と2人暮らしだった。
でも、あまり会話はしなかったから、
一人暮らしも寂しくない。
…って思っていたけど…
やっぱり、なんだか寂しい…
あ、そういえば…昔、友達がいたなぁ…
もしかしたら、いるかもしれない…!
名前は…ちゃんと覚えてる。
たしか…里穂っていう、女の子と…
日向と創太っていう、男の子たち…
……よし、いるかもしれない…!
すると、ある家から声が聞こえてきた。
『日向か創太がババ持ってるでしょ?』
『俺持ってねーよ!創太だろ!』
『いや、日向だな。それか、里穂だろ?』
ババ抜きしてるみたい…
…じゃなくて!名前!
絶対に、里穂、日向、創太って言ってた…
もしかしたら、ホントにいるかも…!
よし‥……
ピーンポーン…
人違いだったらどうしよう…
ガチャ…
「はーい?」
セミロングで優しい表情を浮かべている。
なんとなく里穂に似てるような…
「あ、あの…!」
ここで引いちゃダメだ…!
「わ、私…!菜塚葵です!」
「え……?葵…なの………?」
本当に…本当に里穂だった…!
「う、うん…!里穂……?」
「そう、そうだよ…!」
2人とも涙を流して、抱き合っていた。

