「んじゃ、俺らも帰るか。」


「帰ろっかー!」


「じゃ、行くぞ。」


創太が私を傘に入れる。


え?


「…なにしてんの?!」


「え、別に‥…何が?」


きょとんとしている創太。


「あ、相合い傘して帰る事になるんだけど……。」


2人には1つ傘を貸しちゃったから、傘はあと1つしかない。

しかも、雨はどしゃ降りだし‥…。


「あ、じゃあ葵傘入って帰れよ。」


創太は傘を私に差し出して、

どしゃ降りの中、歩いていく。



……でも、これじゃ風邪引いちゃうよね…?



「創太、待って!」


「ん?」


「風邪引かれたら困るから、傘入って!」



創太の制服の袖をぎゅっと掴む


創太は少し驚いた表情を浮かべていた。



「でも、何かウワサとか立っても大変じゃない?」


「全然!」


「いや、でも……」


「創太だもん、全然いい!」


「………ん」


少し創太は顔を隠しながら、返事をした


ちらっと見えた創太の顔は


ほんのり赤かったような気がした