オレンジ色の空が広がっている
「すっきりしたー!じゃあ帰ろ!」
「だな!じゃ、行くぞー!」
そう言って私の手を引く日向の手をにぎる
「あっ、教室に忘れ物しちゃったから、門で待ってて!」
「俺も行………」
とたんに日向の顔が暗くなったかと思うと
それは目の前にいた人物が原因だった。
「葵……」
…創太……
日向の手を離して教室に入ってノートを取り出す
「…忘れ物取りに来ただけだから!」
「待って!」
その声とともに、時間が止まった気がした。
「ごめん……急いでるから…」
だめだ。
なんだか心が苦しい……。
「ここで言うから聞いて!」
真剣な瞳で私を見つめている。
「俺ら帰るから……!」
日向が教室にゆっくりと入ってくる
「一分でいいから。」
私のドキドキという音が大きくなる
プルルルル…
「……ごめん、電話…!」
そう言って出た電話は
不幸の知らせだった

