「な、なんで謝んの?!」




「だって、さっき泣いてたし、なんとなく葵の考えてることぐらい分かる!」





そっか…



日向はこんな人だった…。





「……日向…ありがと……」




「えっ?!分かったのか?!」



バッと振り向く日向。



「こ、声で分かるし!」


「あー……まじか!」



2人で笑いあっていた


楽しいはずなのに





モヤッとするのものが心を占領する





少しすると2人は黙り込む



気まずい雰囲気が漂っている




「……創太じゃなくて…ごめんな」



「だから……!」



日向の言葉に胸が締め付けられる



「好きでもない奴といるなんて…な!」



いつもみたいに笑っている日向の表情は


だんだんと曇っていくのが見える



「……葵も起きたし……じゃ!」



そう言って、屋上のドアノブを掴む



「待って!」



私の手は、日向のシャツの袖を掴んでいる




「……まだココにいて……!」




今はまだ、1人にさせないで…。


まだ、心がざわいついてる。





このまま1人でいたら…



きっと私は……。





私の言葉に表情を和らげて


日向は私の隣に座る




「いいけど……どうした?」




ニコリと私を見つめる瞳に


私の心にはモヤッとしたものがまた浮き出る







……なにこの…モヤモヤ……