「じゃあ……なんで…?」
冷静に言葉が出る
「え……」
「なんで私のこと………っ」
“なんで私のことフったの”
そう口が動こうとしたはずなのに
何かが私の頬をつたる。
……涙…?
「お、おい……!泣くなよ……!」
慌てているような声が私の耳に響く
「……ごめん…っ」
私の足は出口に向かう
なんだか、足に力が入らない。
震えていて上手くまっすぐ歩けない
目の前は涙で滲んで
息ができないぐらい胸が苦しい
「……いつまで……こんな気持ちになんなきゃいけないの…?」
私は自分に言い聞かせた後
ふらふらとした足取りのまま、
滲んでいる視界のまま、
暗闇に包まれた

