あれ…ここはどこ?


私は仰向けに倒れている。


大きな高い背をした花に囲まれて、

その隙間から青い青い空が見えている



……この花は…




ひまわり?




ひまわりって、こんなに大きかったっけ?



服についた土をはらいながら

そう思っていた。



あれ……、手のひらが……小さい……



もしかして、私が小さいの?



遠くに……見たことのありそうな男の子がいる。



『葵ー!来てくれたんだ…!』



……この声、夢で見た子と同じ……。



『葵、あのさ……』

 

『葵と離れたくない…』



…どういうこと?


ほっぺたをつねった


……痛い



夢じゃないってこと……?



でも、喋れない………


声が出ない………





『葵……?なにしてるの…?』 




誰……、誰なの……?





『はやく、おいでよ…!』




ヤダ……行きたくない………



これが夢じゃないんだったら…


みんなと離れちゃう…




やっと、みんなに会えたのに…?






『葵、言いたいことがあるからさ…』



どういうこと………?


言いたいこと?



『早く、約束決めようよ……って…!』



“約束”



え………?


もしかしたら


夢じゃなくて



記憶……?



『大きくなったらさ……』



男の子に手を引かれている



どこに連れて行かれるのかな




怖いよ……怖いよ…… 


『これは夢じゃないよ、忘れたの?』


助けて……!


『僕の…………名前…………!』