【葵side】


気まずいまま休日は過ぎる。


なんだか音の無い映像みたいに過ぎていく。


インターホンが鳴っただけで


私の心は苦しくなる。



……創太なわけないのに。



そして苦しい胸を抑えて、みんなと学校に行く。


うまく笑えない。


声を出そうとするだけで涙がこぼれそうになるから、うなずく事しかできない。


……こんなに落ち込んでちゃダメだよね。


……よし


心を入れ替えて里穂に話しかけようとすると



「葵……ちょっと、いいかな?」


「あ、うん…?」



里穂の笑顔には悲しみが見えた



「……教室じゃアレだから…ついてきて!」



そう言って私の手を引いて着いたのは


校庭が一望できるベンチ。


そしてゆっくりと腰を下ろす。



「……里穂、どうしたの?」



ちょっとまって、と言うように手を出して深呼吸を始める





「……ちゃんと聞いてね。」






「……う、うん…。」




私は唾を飲む




「私……日向に告白したの。」




え…?!



里穂、告白したの…?!



じゃあ上手くいったのかな…?



あ…。



でも……どうしてこんなに…



哀しそうな目をしてるの?





その理由は、次の言葉にあった。






「でも、フられたよ。好きな子がいるってさ。」







「えっ…………」




日向は里穂とすごく仲良いから、絶対付き合えるって思ってたのに……






「で、ここからが重要なの。」



「え……ここから………?」






そう、というようにうなずく里穂。













「………葵の事……」