「ご、ごめん!」
急いで俺は体を離す
「……。」
里穂は顔が真っ赤になっている
……なんでだ?
「顔赤いけど……大丈夫か…?」
「う、うんっ!」
「無理すんなよ?」
「あ、ありがとう!大丈夫!」
「悩み事とかか?最近ボーッとしてるし…」
「な…悩み事……」
里穂は深刻そうな顔をする
「あ、好きな人がいるってのは……」
「そ、その話?!」
「え、ダメだった?!」
「うん、ダメ!」
「そっかぁ……。」
「ひ、日向はいないの?」
「俺……?!」
いきなりの質問に、声が裏がえる
「あー…いるんでしょ?」
「……いるのはいるけどさ…。」
「いるけど…?」
「この気持ちは伝えないからさ…。」
伝えられないんだ。
「……もったいないよ!」
「え?」
里穂は大声で俺の肩を掴む
「そんなの…伝えなきゃ後悔するに決まってるよ!」
「でもさ…」
「なんで?自信がないから?」
「俺は……」
“俺は関係が崩れてしまいそうだから”
そう言おうとした時だった
「日向は優しくてカッコよくて面白くて…」
「え、おい……」
「だから私は日向の事好きになったの!」

