「え……っ」
私の後ろには屋上のドア。
創太は私の腕を掴んでいて
近い距離で私を見つめる
「……葵…」
「……邪魔…!」
そんな顔で見つめないで
うぅ……
苦しいよ………っ
「じゃあ…逃げない?」
「…離してよ…っ!」
「……やだ。」
いたずらに笑わないで
私を試すように
そんな笑顔で見ないでよ
「もうやめてよ……これ以上…こんな事しないでよ…!」
「何でだよ……?」
創太の顔は真剣になる
寂しそうな声で聞かないでよ
「もう……苦しいの…!」
「……どこが?」
創太の手に力が強く入る
「離して!痛い……っ!」
「言うまで離さないから。」
そんな台詞言わないで
息ができないくらいに苦しい……
これで
終わりにするよ
「……心臓が…創太が近くにいるとすごく苦しいの……!」
「え……それ、どういう事………」
バタンッ
ばいばい、創太
ばいばい、恋心
その言葉だけでさよならできたら
どんなに楽なんだろう。

