「なに……それ!」


いつの間にか視界がぼやけてる


私、泣いてるんだ。


「俺は本当の事言った……」


「創太は私の事嫌いなんじゃん!」


「別にそうとは言ってないだろ…!」


「じゃあ好き?そんな事ないくせに!」


大粒の涙が


地面に落ちた桜の花びらに染みる


「……もういい………!」


創太にとって



私はそんなもんだった?



それぐらいの存在だった?



創太の好きって



そんなに軽いものだったの?



私の心の中に


感情が巡っていく程


涙が溢れていくんだ




「……な、泣くなよ!」


創太が私を抱き寄せようとした


でも


今の私には


もう


受け入れる事なんてできない


君を


拒むことしかできない



「……やめて!」



創太の表情は焦りを見せている



「黒石さんに触れた腕で……私に触んないでよ!」


「何の事だよ……?」


「私見たもん……創太が黒石さんと……!」


「あれはしょうがないだろ?!」


「………創太なんか…きら……!」



ドン…!