「…………それ本当…?」


夕焼けの空に


創太の声だけが響く


「そうだよ。」


なぜか創太の表情は


いつもより


ずっとずっと


悲しそうに見えた


「………葵は……大倉に抱き締められてたのに抵抗しないのに…?」


え…。


「さっきのは事故っていうかさ…!」



「じゃあ、前のは何だったんだよ。」



前の……?


もしかして


慰めてもらった時の事……?


でも


創太は知らない


教室にも戻ってないし


あの時、創太は黒石さんと…………。


「………やっぱりそうだろ。」


「どういうこと?!」


「俺は見たから知ってんだよ。」


“見たから”?


あの時に見てたんだ…。


「……それ見てどう思った?」


私は無意識に聞いていた


“嫌だった”


そう言ってくれるんじゃないかなんて


淡い期待を抱いた私がバカだった。










「葵の事、信じられなくなった」