教室のドアを思い切り開ける


私は目の前の光景に目を疑った。


「あ……葵……、こ、これ……何……………?」


里穂が私を見て震える声で言った


私が見たもの……それは………。



恵に抱き締められる私の写真だった。



「葵………これ、どういう事だよ…?」


日向は呆れたような声で私に聞く


どういう事かなんて私が知りたい


でも、これは訳を話さないと………。



「これは……違うの!」


「何がだよ……、何が違うんだよ……!」



日向は私の肩を揺らす


「ちょっと日向!落ち着いて!」


里穂が止めに入ってくる


「………葵…、創太の事はいいのかよ…」


息を切らして


怒っているような口調でつぶやく。


「そんな訳ないじゃん!」


「オレは……創太には葵しかいないって思ってたのに……!」
 

涙が日向の目からこぼれていく


「……あれは…!」


“事故だから”


そう言おうとしたとき


息が詰まって声が出ない


唾を飲み込んで口を開こうとした瞬間だった。



「菜塚さーん?大倉君と抱きしめあってたんだー!」



そういうことか……。

……これは


………黒石さんがやったんだ…


でも、教室内には私達以外誰もいない。


不幸中の幸いってこと?


頭の中は冴えてはいても心は想うがままに動いて


そのまま言葉を発する



「何でこんなことするの?!」



私は黒石さんの肩を強く掴んでいた


それを望んでいたかのように


黒石さんはあの笑顔を浮かべた


「あんたが憎いからよ………菜塚葵!」


喚くように黒石さんは言う


「あんたが死ねば………!」