ピリリリ……
電話……?
何で今……………?
みんながこっちを見てる
「も、もしもし……?」
『葵!里穂だよ!分かる?!』
「う、うん…分かるよ?」
『教室戻ってきて!大変なの!』
声を張り上げて里穂が言う
「わ、わかった、今から向かう!」
電話を切って屋上を出ようとした時
「菜塚さんっ、絶望しちゃだめだよぉ~」
そう言った黒石さんを無視して
私を見ている恵を無視して
私を追いかけようとしている創太に気づかないまま
私はドアを思い切り閉めた。
私の頭は、何が起きているかなんて
考えてはいなかった

