「……黒石さん…」



黒石さんは私を睨む


「彼氏さんーっ?邪魔しちゃったー?」


天然っぽく言うから、なんとなく無性にイラつく……


「………。」


恵が黙り込む


……………あれ?!


恵、赤くなりすぎじゃない……?!


さっきと全然態度違うじゃん!


「……そ、そうに決まってんだろっ!」


ま、待って……!


黒石さんの前でそれは………。
 

「だから……じゃ、邪魔すんな!」


「あー、じゃーあー、創太君はバイバイしたってことー?」


……なにそれ。


「おい、ふざけんな黒石。」


低い声で創太が言う


「はぁーいっ」


黒石さんも何なの?



「葵、俺さ……思い出したんだよ」



「な、何が……?」



思い出した?


何を?


どうやって思い出したの……?



「いいか、ちゃんと聞けよ。」



そう言って創太は私に近づく


急いで私は首に回った手を外す


そして私の目の前で笑顔を見せた。



「………俺……、葵の事が好きだ。」



………思い出してくれたんだ……。


でも……


でもね……?



「……創太って…黒石さんとキスした?」



口が言うことを聞かない


答えが


イエスかノーかで


私の感情は大きく揺れる



「キスは……………」



私は目を瞑った