「……っ」


………そんなの…


決まってんだろ……


「彼女にキスするだけだよ?する?」


愛梨は人差し指で唇をつつく。





「……………しない」





「しないのー?つまんないのー!」


口を尖らせて横目で見てくる


「彼女とこんな事でキスしたくないし。」


「あ、見てみて!あそこの家!」



オレが見ると、


菜塚の家に大倉が入ってくところだった。


……しばらく、出てこない。



もしかして…あいつら……



「雨降ってきた……!帰るね!バイバイ!」


走って遠くへ消えていった。


「………っ…。」



雨が降って、コンクリートに模様をつける


雨が降って、オレの髪を濡らしていく


雨が降って、何かを思い出せそうな……。