教室に帰って、授業を受けてるとき
菜塚は目を赤く腫らしていた。
そして授業が終わると同時に
愛梨を連れてどこかへ行ったんだ。
あれからだ。
愛梨が変わっていったのは。
菜塚を見れば涙を浮かべて
ギリギリと歯ぎしりをする。
ああ、屋上を見上げた時と同じだ。
多分……いや、絶対。
愛梨は菜塚を恨んでる。
その日の帰り道、何があったか聞いた。
「……菜塚…さんに……脅された…の…っ」
一言、一言、オレに言うと
どんどんと、過呼吸になっていく
「……愛梨…、ホントか…?」
「電話して……っ、聞いて……みて…よ……っ」
止まることを知らないような涙が頬を伝っていく
苦しそうに、叫ぶように愛梨は言う
そしてオレは携帯を耳に当てる
“電話帳に何で入ってたんだ?”
そんな疑問も頭の隅っこに浮かぶ。

