『校内に残っている生徒は速やかに下校してくださーい』



学校からのアナウンスが響く



私は走って階段を降りていく



そして校内を出ると



遠くの方に日向と里穂が待っていた。




「もー!葵ー!」


「葵帰るぞー!」


「ごめん!帰ろー!」




……2人の他にも




もう1人、人影がある



もしかして…



創太………?



だんだんと顔が見えていく




一歩近づくたびに




表情が分かっていく





………あの人は……





創太……




じゃない……。




………大倉君…。




いや……



………恵……。




なんでこんなに



“期待”



しちゃうのかな



なんで今更……



こんな想いになるの……?



創太の顔なんか……



思い出せないのに……。