「………って事があったんだ…」



ひと通り、全部話した。



「…葵、辛かったよね……っ」



自分の事のように涙を流す、里穂。



「葵…っ、大丈夫だから…な!」



元気づけるように言う、日向。



「これからは、俺達がいるから…。」




少しだけ辛そうに言う、創太。




「………みんな…ありがとう……」



自然と涙がしたたり落ちていく。



「今度、大倉君と何かあったら、私達が守ってあげるからね!」




………ありがとう…




………ありがとう…





“ありがとう”何回言っても足りないぐらい
 


みんなに頼ってばっかり…。




…少しぐらいは…自分で頑張ろう……





ドンッ


 

「いったぁ…」




……またぶつかった…。


………大倉君だ



「すいません!…ケガは…?」


「……っ」



…口が開かない…っ



「……って、まさかお前…!?」




大倉君なんか………

怖く……ない…っ…………!




「………あなた誰?初めて見たんだけど…“お前”って、初対面の人に言う口調?」

 


「………。」



い、言いすぎた………?



「え、すいません!………人違いでした…」



「口は気をつけたほうがいいよ。じゃ。」




さっそうと去るかのように

全力で逃げている私…。






「葵!なんか、カッコよかった!」


「アイツも最後ビビってたしな!」


「頑張ったな。」



「うん!あ、ありがとう!」




そして、高校生活1日目は幕を閉じた。