木こりの娘はプリンセス?

エリックはエレノア様に声を掛けられたことで有頂天になっているけど・・・

私は騎士団に入るつもりはないんだ。


『お声を掛けていただき誠に光栄ではありますが、私は学業の優先と

この学園でやりたい事が決まっていますので、騎士団には入れないんです。』


「そうですか、すべき事ががあるのでは仕方ありませんね。」

エレノア様は残念そうな顔をしてそれ以上の事を言わないでくれたけど、


「えっ?何だよ、そんなに強いのに騎士団に入んないのかよ。

騎士団に入れば色々と特典もあるんだぜ。第一やりたい事って何だよ?」

エリックは信じられない!?と言った感じなのか、興奮して私に言ってくる。


『私は、部活動なら科学部に入部を決めてるし、研究内容も大体決めているの。

騎士団に入ったら稽古の他に色々と時間が拘束されるでしょ?』


「ハッ!?騎士団を蹴って科学部を選ぶって?たいそうな研究内容なんだろうな。」

学生の研究なんてたかが知れているとでも言いたそうに、鼻で笑ってくるエリックに対し私は


『そんな、学者みたいな研究する訳じゃないのよ・・・

ただ新薬開発の研究がしたいだけ、ここにはあらゆる研究道具が揃ってるんだもの

使わないなんて、それこそバカだわ。』

エリックは、まさか新薬の研究と言う返事が返ってくるとは思っていなかったのか、

口をポカーンと開けたまま、返事に困っている。