木こりの娘はプリンセス?

ルイスは困ったような表情で
「今夜は妹と過ごしますので・・・」と返答をすると

「そんなぁ、妹さんとだけダンスをするなんてひどいです。私今日を楽しみにしていましたのに。」

私とルイスはアイコンタクトをすると、少しずつ距離を取って行きルイスの側から離れて行った。

その状況をエレノア様は見ていたようで離れたところから少しずつ私の方へやってくると。

「今年も大変そうですね。サラさんは大丈夫?」

『ご心配ありがとうございます。私は大丈夫ですが・・・兄も大変ですね。』

「そうね、彼は人気があるから。」

『そうだ、エレノア様が兄と一曲踊っていただけません?』

「私がですか?」

エレノア様は首をかしげながら私にそういう。

『そうです。エレノア様の後では貴女の美しさに勝てる者はいませんもの、皆恐縮してこの騒ぎも落ち着くのでは?』

そんな事はないと思うけれど・・・とエレノア様は困惑する。

「私もサラの言う通だと思いますよ。」

アンナはそう言うと自己紹介をする。

「私、サラの親友のアンナと申します。以後お見知りおきを・・・」

「アンナさんですね、よろしく。
貴女もサラさんの言う通にした方が良いと思うのですか?」

「ええ、この学園にエレノア様以上の才色兼備はいませんから。」

『さぁ、エレノア様あちらに行きましょう?』

私はそう言うとエレノア様の手を引っ張りながらルイスのもとへ戻る。

エレノア様のパートナーの方にダンスに誘ってもらい手を取ると、
私はそのままダンスホールへ移動をしていく。


エレノア様は一人になるとルイスに話しかける。

「先日の怪我は大事な方のですね。安心しました。」

「ご心配おかけして申し訳ありません、お詫びに一曲踊っていただけませんか?」

エレノア様はルイスの手を取るとダンスホールにエスコートしてもらう。

フロアに残された女性たちは二人が踊る姿を見てエレノア様と踊った後では・・・そう口々に嘆き始める。

そこへ、いいタイミングで現れたのはジャック先輩だ。

「姫君、何がそんなに悲しいんだい?そんな所で壁の花になっていては
君の美しさがもったいない。僕と踊っていただけないかな?」

「ジャック様~、私と踊っていただけるのですか?うれしいですわぁ。」